【中学受験注目校】東京農業大学第三高等学校附属中〜理科を中心とした実学重視の学校〜

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オンライン・完全個別指導塾Soleadoが注目する中学受験校をご紹介するシリーズです。

今回は、埼玉県東松山市に位置し、東京農業大学の附属校として「実学」を重視した特色ある教育を展開する、
東京農業大学第三高等学校附属中学校(農大三中)に焦点を当てます。

理科や自然科学への探究心を育む環境として知られる一方で、
近年では国公立大学や難関私立大学の文系学部へも着実に合格実績を伸ばしており、
そのバランスの取れた進路指導にも注目が集まっています。

1 学校の概要

東京農業大学第三高等学校附属中学校は、2009年に開校した比較的新しい中高一貫校です。
その母体である東京農業大学第三高等学校は1985年に開校しており、
地域に根差した教育機関としての歴史を持っています。

学校法人東京農業大学の設置校であり、その建学の精神は「人物を畑に還す」という言葉に集約されています。
これは、学問的な探究で得た知識や知恵を、実社会で生かして貢献できる人材を育てるという意味が込められており、
附属中学校の教育の根幹にもなっています。

校訓として「不屈」「探求」「信頼」を掲げ、困難に立ち向かう精神力、物事の本質を深く追求する姿勢、
そして他者との信頼関係を築く力を6年間で養います。

埼玉県東松山市の緑豊かな広大なキャンパスに位置し、
生徒たちは自然に囲まれたのびのびとした環境の中で学校生活を送っています。

中高一貫の生徒数は各学年約100名程度で構成され、教員の目が行き届きやすいアットホームな校風も魅力の一つです。

2 入試情報

農大三中への入学を目指すにあたり、最新の入試情報を確認することは不可欠です。

埼玉県の中学入試は1月10日から本格的にスタートしますが、農大三中もこの時期に複数の入試日程を設けており、
受験生にとって多様な受験機会を提供しています。

◆ 偏差値

農大三中の難易度を示す指標として、四谷大塚が発表している80%合格可能性偏差値(2025年入試予想)は、
男子が43から47、女子が44から47となっています。

これは入試日程によって変動しますが、概ね40台半ばから後半の偏差値帯に位置しており、
埼玉県の私立中学校の中で中堅校として確かな地位を築いています。

この偏差値帯は、基礎的な学力をしっかりと定着させた上で、各教科の応用力も問われるレベルであり、
早期からの計画的な受験勉強が合格の鍵となります。

特に算数や理科では、学校の特色である「実学」や「探究」につながるような、
思考力を問う問題が出題される傾向があり、単なる知識の暗記に留まらない学習が求められます。

◆ 倍率

近年の入試倍率は、日程にもよりますが、
おおむね1倍台前半で推移していることが多く、比較的安定した入試状況と言えます。

例えば2024年度入試では、第1回特待生入試が約1.1倍、第2回特待生入試が約1.4倍となりました。
倍率が低いからといって油断はできませんが、
合格最低点を着実にクリアできる学力を身につけていれば、合格のチャンスは十分にあると言えるでしょう。

ただし、特待生入試や、募集人数の少ない後半の日程では倍率が上昇する可能性もあるため、
過去のデータに一喜一憂せず、自身の学力を高めることに集中する必要があります。

学校説明会などで最新の入試動向や受験生の志望状況を確認することも重要です。

◆ 入試日程

2025年度入試(2025年1月実施)の概要によれば、農大三中では多様な入試形態を用意しています。

主な入試日程としては、
1月10日に第1回特待生入試(2科または4科選択)と第2回特待生入試(1教科選択)が同日に行われます。
第2回の1教科選択入試は、「ことば力」「理科」「世界と日本」「算数」の中から
得意な1科目で受験できるユニークな方式です。
翌日の1月11日には第3回入試(2科または4科選択)が、1月25日には第4回入試(2科)が設定されています。

このように複数の受験機会が設けられており、
得意な科目や学習の進捗状況に合わせて入試方式を選択できる点が大きな特徴です。
2科・4科選択型入試では、国語・算数の基礎学力に加え、
4科を選択することで理科・社会を含めた総合的な学力をアピールすることも可能です。

3 教育・施設

農大三中の最大の魅力は、その独自の教育内容と充実した施設環境にあります。

◆ 教育内容

農大三中の教育の柱は、建学の精神に基づく「実学教育」です。

これは、単なる座学に留まらず、本物に触れる体験学習を通じて生きた知識を身につけることを目指しています。

その象徴的な取り組みが、中学1年生が行う「ダイズ栽培」と「味噌づくり」です。
生徒たちは校内の屋上菜園で土づくりから始め、種まき、育成、収穫までを一年かけて体験します。
そして収穫したダイズを使い、東京農業大学の研究室を訪れて本格的な味噌づくりに挑戦します。
この一連の活動は、理科の知識(植物の生育、発酵の仕組み)だけでなく、
社会科(食料生産)、技術・家庭科(調理)、さらには協働作業を通じた人間関係の構築まで、
教科横断的な深い学びを実践する場となっています。

また、STEAM教育をベースとした「究理探新」のプログラムも充実しており、
論理的思考力やプレゼンテーション能力を養う「論理の時間」や、ICT機器を活用した探究学習にも力を入れています。

理系教育に強みを持つイメージがありますが、実際には国公立大学や難関私立大学の文系学部への進学実績も豊富です。
これは、少人数制の利点を生かした教員の手厚いフォローアップ体制や、
放課後に無料で開講される多彩な「進学補習講座」の成果と言えます。

生徒一人ひとりの進路希望に合わせ、理系・文系を問わずきめ細やかな指導が受けられる環境が整っています。

◆ 施設

緑豊かな広大なキャンパスは、生徒たちがのびのびと学ぶための最適な環境を提供しています。

附属中学校の生徒たちは、専用の「中学校舎」で学びます。
この校舎には、大きな窓から光が差し込む開放的な教室のほか、生徒たちの自習や交流の場となるオープンスペース、
そして実学教育の核となる「理科実験室」が完備されています。
実験室には本格的な実験器具が揃えられており、生徒たちの知的好奇心を刺激します。
「ダイズ栽培」が行われる「屋上菜園」も、都市部の学校では得難い貴重な学習の場です。

また、高校と共用する施設も充実しており、広大なグラウンド、複数の体育館、
蔵書豊富な図書館、学生食堂(カフェテリア)など、大学の附属校ならではの恵まれた設備を利用することができます。
これらの施設が、生徒たちの学習活動だけでなく、活発な部活動も支えています。

4 併願戦略

埼玉県の中学受験において、農大三中を第一志望または併願校として考える場合、
1月10日という入試日と偏差値帯(四谷大塚43~47)を考慮した戦略的な併願プランが重要になります。

◆ チャレンジ校

農大三中を第一志望とする受験生が、さらに上のレベルに挑戦する場合、
同じ埼玉県内の栄東中学校(A日程)や開智中学校(先端A)、大宮開成中学校(特待選抜)などが候補に挙がります。

これらの学校は1月10日または11日に入試が集中するため、農大三中の入試日と重複しない日程を選ぶ必要があります。

また、東京都内の学校としては、1月下旬から2月にかけて入試を行う本郷中学校や淑徳与野中学校(1月11日)、
あるいは偏差値がさらに上の学校に挑戦するケースも考えられます。

これらの学校に合格するためには、農大三中の合格ラインを余裕を持ってクリアできる学力が求められます。

◆ 同等校

農大三中と偏差値帯や校風が近く、併願されることが多い学校としては、同じ埼玉県内の学校が中心となります。

例えば、星野学園中学校(理数選抜)、本庄東高等学校附属中学校、埼玉栄中学校(難関大コース)、
大妻嵐山中学校などが挙げられます。

これらの学校は、入試日が1月10日から12日にかけて設定されていることが多く、
農大三中と組み合わせて受験するパターンが一般的です。

同じレベルの学校を複数受験することで、合格の可能性を高めるとともに、
万が一の場合のリスクを分散させることができます。各校の入試科目や出題傾向を比較検討し、
自分に合った学校を選ぶことが大切です。

◆ 安全校

農大三中を第一志望としつつ、
確実に合格を確保するため(あるいは農大三中自体を安全校として位置づける)の併願先としては、
偏差値帯が農大三中よりもやや下がる学校や、午後入試、1月後半の日程の学校が考えられます。

埼玉県内では、1月10日以降の午後入試を実施している学校や、
1月下旬に複数回の入試機会を設けている学校が候補となります。

また、農大三中自体の第3回(1月11日)や第4回(1月25日)入試を、
他の学校の受験状況を見ながら出願するという戦略も有効です。

受験生の学力や志望順位に応じて、柔軟な併願プランを組むことが合格への近道となります。

5 進学実績

農大三中の中高一貫生の進学実績は、学校の教育の成果を示す重要な指標です。

理科教育や実学教育に力を入れていることから、理系への進学者が多いイメージがありますが、
実際には文系・理系ともにバランスの取れた高い実績を上げています。
系列校である東京農業大学へは、附属校推薦枠を活用して毎年多くの生徒が進学しています
(2025年度入試では98名、2024年度入試では80名が合格)。
これは、農学や生命科学分野に興味を持つ生徒にとって大きな魅力であり、安心して学習に取り組める環境と言えます。

一方で、他大学への進学実績も非常に好調です。
国公立大学では、地元の埼玉大学や筑波大学、横浜国立大学などへの合格者を出しています。
私立大学では、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といった最難関の「早慶上理」や、
「GMARCH」(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)に
多数の合格者を輩出しています。

特にGMARCHの合格者数は安定しており、理系学部だけでなく、
法学部、商学部、文学部といった文系学部への進学者も多いのが特徴です。

これは、前述の通り、教員による手厚い進路指導や補習講座によって、
文系志望の生徒もしっかりとサポートされている証拠です。

6 まとめ

東京農業大学第三高等学校附属中学校は、「実学教育」という明確な教育理念のもと、
ダイズ栽培や味噌づくりといったユニークな体験学習を通じて、生徒たちの探究心と生きる力を育む学校です。

緑豊かな広大なキャンパスと充実した施設は、生徒たちがのびのびと学び、
成長するための理想的な環境を提供しています。

理系分野への強みを持ちながらも、手厚い進路指導によって文系難関大学へも多くの合格者を輩出しており、
多様な進路希望に対応できる柔軟さも兼ね備えています。

基礎学力を固めつつ、自然や科学に対する好奇心を持ち、体験を通じて深く学びたいと考えるお子様にとって、
農大三中は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

中学受験は、お子様一人ひとりの特性に合わせた志望校選びと、計画的な学習戦略が成功の鍵となります。
オンライン・完全個別指導塾Soleadoでは、農大三中のような特色ある学校の入試傾向を踏まえ、
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