【中学受験注目校】自由の森学園中学校〜のびのびと豊かな学び〜

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1 学校の概要
埼玉県飯能市の豊かな自然に抱かれた地に、自由の森学園中学校・高等学校はあります。
1985年に開校したこの学校は、一般的な「進学校」とは一線を画す、独自の教育理念を掲げています。
その根底にあるのは、
「かけがえのない個の人間として、それぞれ異質で、多様な可能性を潜ませていながら、
いまの画一的な教育の中で萎えてしまっている若者たちの秀れた資質をひきだし、想像力を解放し、心の自由を育てる」
という創立の精神です。偏差値による序列や画一的な知識の詰め込みではなく、
生徒一人ひとりが「深く、豊かに、ともに学ぶ」ことを通じて、
自分自身の人生を切りひらき、他者と共に生きていく力を培うことを教育の目標としています。
校風は非常に自由で、生徒の主体性を最大限に尊重します。
生徒と教師は対等な立場で活発に対話し、学校生活や行事を共に創り上げていきます。
また、学校に隣接して寮が設けられており、
全国各地から生徒が集い、共同生活を通じて多様な価値観に触れながら成長できる環境も整えられています。
ユネスコスクールにも加盟しており、持続可能な社会の担い手を育む教育(ESD)にも力を入れている、
まさにオルタナティブ教育の代表的な一校と言えるでしょう。
2 入試情報
自由の森学園中学校の入試は、学校の教育理念を深く理解し、共感している生徒と出会うことを目的とした、
非常に特徴的なものとなっています。
◆ 偏差値
四谷大塚の偏差値一覧では、自由の森学園中学校の偏差値は公表されていません。
これは、同学園の入試が一般的な学力試験の点数だけで合否を決定するものではなく、
後述するような独自の選考方法を採用しているため、
偏差値という画一的な指標では測ることが難しい学校であることを示しています。
中学受験においては、偏差値の高低で学校を選ぶのではなく、
その学校の教育が本当にお子様に合っているかを見極めることが何よりも重要です。
参考までに、首都圏模試センターによる80%合格ラインの偏差値は37(男女とも)とされていますが、
この数字以上に、学校の教育方針への深い理解と共感が合否の鍵となります。
◆ 倍率
自由の森学園中学校は、過去の入試倍率を詳細には公表していません。
入試は、学力テストの点数競争ではなく、生徒の個性や学習意欲、
そして学校の教育方針との適合性を多角的に見る「出会いの場」として位置づけられています。
そのため、表面的な倍率の数字に一喜一憂するのではなく、学校説明会や公開行事に積極的に参加し、
先生方や在校生の雰囲気に直接触れ、学校との相性を丁寧に見極めることが合格への第一歩となります。
特にA・B入試では第一志望であることが重視される傾向にあるため、熱意を伝える準備が不可欠です。
◆ 入試日程
2025年度の中学校入試では、「A入試」「B入試」「C入試」といった複数の入試日程が設定されています。
試験内容は日程によって異なり、学校の特色が色濃く反映されています。
A入試とB入試では、国語と算数の基礎的な筆記試験(各40分)に加えて、この学校ならではの選考が行われます。
それは、理科、社会、体育、音楽、美術の中から1教科を選択し、約50分間の体験授業を受けるというものです。
授業後には、その内容に関する課題や感想文の作成が求められ、さらに個人面接も実施されます。
一方、C入試では、国語と算数の筆記試験(各40分)と、グループ面接が課されます。
配点については公表されていませんが、筆記試験の得点だけでなく、
体験授業への取り組み姿勢、自分の考えを表現する力、
他者とのコミュニケーション能力などが総合的に評価される入試と言えます。
詳細な日程や出願方法については、必ず学校公式サイトで最新の生徒募集要項をご確認ください。
3 教育・施設
自由の森学園の魅力は、その独自の教育内容と、それを支える豊かな学習環境にあります。
◆ 教育内容
自由の森学園では、生徒を点数で評価するための定期テストや、数字が並んだ通知表は存在しません。
代わりに、生徒自身が学びのプロセスを振り返り、教師がそれを文章で記述する「学びの記録」によって、
一人ひとりの成長を丁寧に見取ります。
授業は一方的な講義形式ではなく、教師と生徒、あるいは生徒同士が活発に対話しながら進められます。
芸術教育が非常に重視されており、音楽や美術は中学・高校を通じて必修科目となっています。
美術の授業では、木を彫って椅子を作ったり、糸を紡いで染織を行ったりと、
「本物に触れる体験」を通じて豊かな感性と表現力を育みます。
また、「森の時間」と呼ばれる総合学習では、学校の敷地内にある田畑で稲作や野菜作りに取り組むなど、
自然と深く関わりながら生命や環境について学びます。
高校に進学すると、その学びはさらに発展し、100を超える多様な「選択講座」が用意されます。
製本や染色といった専門的な技術を学ぶ講座から、演劇、国際交流、哲学対話まで、
生徒は自らの興味関心に基づいて自由に学びをデザインすることができます。
これらの体験的な学びすべてが、生徒の知的好奇心を引き出し、自ら問いを立てて探究する力を養っています。
◆ 施設
埼玉県飯能市の丘陵地に広がるキャンパスは、まさに「森の学校」と呼ぶにふさわしい緑豊かな環境です。
校舎は自然の地形を活かして配置されており、その中心には膨大な蔵書を誇る図書館が位置し、
生徒たちの知の拠点となっています。
校舎内には、本格的な木工や染織が可能な美術棟、音響設備の整った音楽ホール、
体育館、多目的ホールなどが完備されています。
また、安全で良質な食材にこだわった学園内の食堂は、通学生だけでなく寮生にとっても大切な憩いの場です。
敷地内には男女別の寮(計5棟)が完備されており、中学生から高校生までの異年齢の生徒たちが共同生活を送っています。
寮生活では、日々の暮らしの中で多くの話し合いが行われ、
他者と協力しながら生活を創り上げていく貴重な経験を積むことができます。
この豊かな自然環境と充実した施設が、生徒たちののびのびとした学びと成長を力強く支えています。
4 併願戦略
自由の森学園中学校を第一志望として考える場合、一般的な中学受験とは異なる併願戦略が必要となります。
偏差値や入試日程だけで併願校を決めることは、同学園の教育方針とは馴染まない可能性が高いため、注意が必要です。
◆ チャレンジ校
自由の森学園中学校は、その独自の教育理念と入試形態から、
偏差値の物差しで「チャレンジ校」を設定するという概念自体が当てはまりにくい学校です。
同学園を第一志望とするご家庭の多くは、偏差値の高さではなく、教育内容への共感を最優先に学校選びをされています。
したがって、学力的な上位校に挑戦するというよりも、
自由の森学園の教育にどれだけ強く惹かれているかが重要になります。
◆ 同等校
併願校として検討されるのは、やはり偏差値帯ではなく、教育方針や校風に近しいものを持つ学校となります。
例えば、同じく生徒の主体性や体験学習を重視する東京都世田谷区の「和光中学校」や、
三鷹市の「明星学園中学校」、東久留米市の「自由学園中等科」、町田市の「玉川学園中学部」などが挙げられます。
これらの学校も、それぞれが独自の教育理念を掲げており、
一般的な学力試験とは異なる選考方法(作文や面接、表現活動など)を取り入れている場合があります。
自由の森学園と併願する際は、各校の教育内容を深く理解し、
お子様の個性に合うかどうかを慎重に比較検討することが求められます。
◆ 安全校
「安全校」という考え方も、偏差値軸では機能しにくいと言えます。
自由の森学園の入試、特にA・B入試は第一志望者を強く求めているため、
併願として受験する場合はC入試を選択することになるでしょう。
万が一の場合に備えるという意味では、一般的な学力試験(2科または4科)で合否判定が行われる、
通学可能な範囲の私立中学校を受験することが考えられます。
ただし、その場合、自由の森学園とは教育方針や校風が大きく異なる可能性が高いことを理解しておく必要があります。
お子様が6年間通う場所として、どのような環境が望ましいのかを、ご家庭で十分に話し合って決定することが大切です。
5 進学実績
自由の森学園の教育は、難関大学への合格者数を追求するものではありません。
生徒一人ひとりが自分の興味や関心を探究し、自らの「生き方」として進路を選択することを尊重しています。
そのため、卒業生の進路は非常に多様性に富んでいます。
高校卒業生(2023年度実績、既卒生含む)の進路を見ると、四年制大学への進学が約半数を占める一方で、
専門学校で技術を磨く生徒、就職する生徒、あるいは特定の目標のために進学準備期間を設ける生徒など、実に多彩です。
四年制大学への進学先としては、
国公立大学では東京学芸大学など、
私立大学では青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、成蹊大学、
日本大学、東洋大学、武蔵大学など、幅広い大学への合格実績があります。
また、立教大学、日本大学、東洋大学などをはじめとする多くの大学から指定校推薦枠も寄せられています。
これは、自由の森学園での主体的な学びの姿勢が、大学側からも高く評価されている証と言えるでしょう。
6 まとめ
自由の森学園中学校は、偏差値や競争原理から離れ、豊かな自然環境と対話を重視する校風の中で、
生徒一人ひとりの個性と想像力をじっくりと育む、日本でも稀有な学校です。
点数では測れない「生きる力」を養いたいと願うご家庭にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、その入試は独特であり、一般的な受験勉強だけでは対応が難しい側面があります。
特にA・B入試で課される体験授業後の感想文や個人面接、
C入試のグループ面接では、自分の考えを的確に言語化し、表現する力が求められます。
また、基礎学力を問う国語・算数の試験対策ももちろん必要です。
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自由の森学園の入試で求められる国語・算数の基礎学力の定着はもちろんのこと、
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