時事問題1 広島サミット開催
サミットとは
サミットというのは、主要国首脳会談と訳されます。世界のいろいろな国のリーダーたちが集まって、世界の問題について討議をする会議です。例えば、地球の温暖化や貧困や戦争など、みんなで協力して解決しなければならない問題について話し合います。
サミットは英語で「山の頂上」という意味があります。それは、国のリーダーたちは山の頂上に立って、世界の全体像を見る必要があるからです。サミットに参加する国は、変わることもありますが、基本的には経済や政治や軍事などで強い国が選ばれます。
基本的な参加国はG7と呼ばれる国々です。「G7」というのは、「Group of Seven」の略で、「七つのグループ」という意味です。このグループには、日本を含めて、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダという7つの国が入っています。
これらの国は、世界で最も経済が発展している国と言われています。経済というのは、お金や物や人がどう動いているかということです。経済が発展するということは、国が豊かになるということです。豊かな国は、貧しい国や困っている国に援助したり、影響力を持ったりします。だから、「G7」の国は、世界の問題に積極的に関わっていく必要があります。
一時期G8と呼ばれ、ロシアが加わっていたこともありましたが、2014年にロシアがクリミア半島を占領して以来ロシアは招待されていません。また、EUや中国といった国々、アフリカ連合など発展が著しい国々が参加することもあります。
サミットは一年に一回開かれますが、その場所も毎年変わります。G7の国々が持ち回りで開催するのが基本です。サミットの開催国は、自分の国をアピールしたり、他の国と友好関係を築いたりするチャンスでもあります。サミットでは、リーダーたちは会議だけでなく、食事や観光なども一緒に楽しみます。
サミットの結果は、共同声明という形で発表されます。共同声明とは、リーダーたちが合意した内容をまとめた文書です。共同声明は、世界の平和や発展に向けて大きな影響を与えることがあります。
サミットは、小学生にとっても関心を持つべきことです。なぜなら、サミットで話されることは、私たちの未来に直接関係しているからです。サミットで決まったことが実行されるかどうかは、私たち一人一人の行動にもかかっています。だから、サミットについて知っておくことは大切です。
広島サミット
2024年の広島サミットでは、世界のリーダーたちが集まって、地球の平和と環境について話し合いました。広島は、原子爆弾で大きな被害を受けたことがありますが、その後に復興して、平和のシンボルになりました。サミットでは、核兵器の廃絶や気候変動の対策など、重要なテーマが取り上げられました。リーダーたちは、協力して問題を解決することを約束しました。サミットの成果として、以下のようなことが発表されました。
- すべての国が核兵器を持たないことを宣言する条約に署名すること。
- 2050年までに温室効果ガスの排出量を半分に減らすことを目標にすること。
- 再生可能エネルギーの利用を増やすことや、森林や海洋などの自然を守ることに資金を投入すること。
- 人権や民主主義を尊重することや、貧困や飢餓などの社会問題に取り組むこと。
これらの成果は、私たちの未来にとってとても大切です。広島サミットは、世界が一つになって平和と環境を守ろうとする姿勢を示しました。私たちも、日々の生活でできることから始めて、地球に優しい行動を心がけましょう。
サミットとウクライナ問題
今回のサミットでも特に注目されたのが、「ウクライナ問題」です。「ウクライナ」というのは、ヨーロッパ大陸の東部にある国です。
2022年、「ロシア」は、ウクライナの一部の地域を占領しました。占領というのは、他の国の土地を勝手に取ってしまうことです。
このような行為は国際法というルールに反しています。国際法というのは、国と国が争わないように決めたルールのことです。「ロシア」は、国際法を守らなかったので、世界中から非難されました。「G7」の国も、「ロシア」に対して制裁という厳しい処罰をしました。制裁というのは、お金や物や人のやり取りを制限することで、相手に不利益を与えることです。
このような中でウクライナのゼレンスキー大統領が広島サミットに参加しました。当初はリモート参加という話もありましたが、実際に広島を訪れ会議に参加し、多くの首脳と会談を行いました。
また、ゼレンスキー大統領をはじめとする多くの首脳が原爆ドームや原爆資料館を訪れました。ウクライナをめぐる紛争ではロシアによる核兵器使用の恐れもあり、また、核兵器による恫喝が効果を出していることから、核保有を目指す国が増える可能性もあります。
そのような中で、核兵器を使用することの悲惨さをアピールできたことも大きな成果と言えるでしょう。
「ウクライナ問題」は、今でも解決していません。「広島サミット」では、「G7」の国のトップたちは、「ウクライナ問題」について話し合い、「ロシア」に対して強いメッセージを送りました。メッセージというのは、言葉や行動で相手に伝えることです。
このように、世界が抱える問題を討議することもサミットの重要な役割です。
サミットの歴史
1975年には、先進国の指導者たちが集まって、石油危機後の経済やエネルギーなどの問題について話し合うサミットが始まりました。これが今のG7(先進7か国)サミットです。第1回サミットはフランスのランブイエで開催され、カナダが参加していませんでした。その後、カナダが加わり、G7となりました。以後サミットは、毎年1回開かれています。
また、2008年からは、新興国も加わって、G20(主要20か国)サミットという会議も開かれるようになりました。G20には、G7のほかに、中国やインドなどの国々が参加しています。G20サミットでは、経済だけでなく、気候変動やテロ対策などの問題も話し合われています。
サミットは、世界の指導者たちが直接会って話すことで、互いの信頼や理解を深めることができます。また、サミットで決めたことは、世界中に影響を与えることがあります。例えば、2015年にフランスで開かれたサミットでは、地球温暖化を防ぐために、各国が温室効果ガスの排出量を減らすことを約束しました。これはパリ協定と呼ばれています。パリ協定は、今でも世界中で守られている重要な協定です。
日本では1979年、1986年、1993年、2000年、2008年、2016年、2023年の7回議長国となっています。1979年から1993年までは東京で開催されました。その後は、2000年の九州・沖縄サミット、2008年の洞爺湖サミット、2016年の伊勢志摩サミット、2023年の広島サミットと地方で開催されています。
これは「リトリート方式」と言われ、大都市圏以外の観光地などで開催することが多くなっています。理由は、大都市だと警備が大変なことと、リゾート性です。特に、21世紀に入ってからはテロなどの危険が高まっているということも大きな原因です。
広島でサミットを開催することは、被爆地で開催することで核兵器反対のメッセージを伝えるという意味もありました。このようにどこで開催するかということはその都市の持つ歴史や文化などを踏まえて何かのメッセージを送ることにも繋がります。
サミットにおける旗の掲揚順
サミットで国旗を並べるときにどのような順番で並べるのでしょうか?
これはG7の儀礼で決まっています。
左から順番に並べますが、最初に来るのは議長国(=開催国)です。
以下、先に来るのは参加しているのが国家元首である国、後に来るのが国家元首でない国です。ちょっと難しいですが、国家元首とは「大統領」国家元首でないとは「首相」と考えてこの場合は大丈夫でしょう。
同じ「大統領同士」、「首相同士」の場合、任期が長い人物が参加している時に優先されます。
ちなみに、国連ではアルファベット順(ABCDEF・・・・・・)だそうです。
それでは、サミットの順番と国連の順番に国旗を並べ替えてみましょう。
国名 | 国名(アルファベット) | 参加者 | 参加者の就任年月日 |
アメリカ | United States of America | バイデン大統領 | 2021年1月20日 |
イギリス | United Kingdom | スナク首相 | 2022年10月25日 |
イタリア | Italy | メローニ首相 | 2022年10月22日 |
カナダ | Canada | トルドー首相 | 2015年11月4日 |
ドイツ | Germany | ショルツ首相 | 2021年12月8日 |
日本 | Japan | 岸田首相 | 2021年10月4日 |
フランス | France | マクロン大統領 | 2017年5月14日 |