渋谷幕張中学校 令和5年 社会 大問2

問9 問題と解説

問9 波線部イに関連して、鬼退治で有名な昔話に「桃太郎」があります。この昔話の「桃太郎」の冒頭では、おじいさんは山にシバかりに、おばあさんは川へ洗たくに行きます。このおじいさんが山でかりとった「シバ」は、どのようなことに使われたと考えられますか。20字以内で説明しなさい。

まず、昔話からの出題。シバかりと言いますが、なんとなくスルーしていませんか?漢字で書くと「柴刈り」です。

柴というのはツツジなどの雑枝のことです。これを集めることが柴刈り。持って帰ったあと、折って火を起こすのに使ったりします。薪(まき)にするのですが、火を起こすときに使う小さな薪です。

意外と「芝」だと思っている人がいますよね。昔話などでも知らないことは意外と多いですね。

以上のことから正解例は

「折って火を起こすのに使った。」

です。

問10 問題と解説

問10 波線部ウに関連して、現在でも、お葬式やお通夜に参加した人が、死のケガレを自宅に持ちこまないようにする習慣は、広く各地で見られます。多くの地域で家の中に死のケガレを持ち込まないようにするため、どのようなことをしていますか。10〜20字程度で説明しなさい。

これは、日本の風習から。お葬式などに参加した人が帰ってきたときに何をしますか?

正解は「塩を身体に振りかける。」ですね。

火葬場の帰りに手水で手を洗うというのもありますが、お葬式やお通夜に参加した人という条件に当てはまらないので、微妙でしょう。

元々は神道の風習のようです。神話でもイザナギノミコトが妻・イザナミノミコトが亡くなったときに黄泉の国にいき、帰ってきた後で阿波岐原で海水を使って穢れを落とすというシーンがあります。海水も塩が含まれていますね。

相撲でも土俵に塩を撒きます。塩には穢れを落とす効果があると信じられているのでしょう。

仏教ではもともとなかった風習ですが、広く日本に広まっていきました。ただし、浄土宗では死者は皆浄土に行くのだから穢れていないと考えて、清めの塩に反対しているそうです。そういえば、葬儀場で清めの塩が配られないことがありますね。

でも、多くの場合配られています。小学生で葬式に参加したことがあるかは微妙なところですが。

問題のメッセージ

この2題を取り上げたのは、中学受験の問題っぽいな、と思ったからです。

日本の伝統、風習、言葉などは大切にしてほしいと思います。

昔話に「囲炉裏」「うす」など様々なものが出てきます。

これらが何か、わかりますか?

普段の生活から得点できる問題もたくさんあります。

このような視点でも中学入試問題を見ていくといいと思います。

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