海陽中 24年社会より 〜森林と林業〜
海陽中の社会の問題を見ていて、
ぜひ理解してほしいというもの、
資料の読み取りをできてほしいものがあったのでご紹介します。
資料の読み取り
木の樹齢というのもたまに出題されます。
図6を見て考えるとわかりますが、
例えば「1〜5歳」の木は当然木材にはなりません。
高齢になればどんどん木は大きくなりますし、良い木材になります。
「100歳の木を木材にすると100年もつ」とも言われるそうです。
ただし、林業をしている人からするとある程度育てたら出荷したいもの。
「ある程度」とはいつか?
図6を見ると、40〜70年程度だと推測できます。
今から40年前というと1980年前後。70年だと1950年前後。
戦後日本が安定してきてから植林された木だと言えます。
戦後すぐは日本は焼け野原でたくさんの木が必要だったでしょう。
たくさん伐採し、たくさん植林もしたはずです。
その木がようやく出荷しやすい樹齢になったということです。
そこまで考えられなくてもいいですが、
「樹齢40〜65年の出荷しやすい木がたくさんあるから」
だけでも書けるといいと思います。
私の回答は
「出荷しやすい樹齢40〜65年の木がたくさんあるから。」
です。
コツとしては、まず資料の内容をしっかりと書くこと。知っていることがあっても、まずは資料の内容を書くことです。
ただし、若い木が少ないので、今後どうなるか心配になる資料でもあります。
樹齢については以下のようなグラフもあります。
(森林・林業学習館HPより引用)
これも中学入試・高校入試ともに出題が見られたネタです。
森林がCO2を吸収する量が多いのは成長期です。
したがって、ある程度育てた木は伐採し、新しい木を植林することが良いことなのです。
このようなことも頭の片隅に置いておくと良いと思います。
理解してほしい問題
これもよく出てくる問題です。
森林にはどのような働きがあるか?です。
Aについて
これは森林の保水力ですね。
森林は雨が降ったりした時に、水を地中に蓄え、少しずつ流します。
したがって、森林がないと降った雨が一度に下流に流れてしまい洪水になります。
また、森林があれば少しの期間雨が降らなくても川の水がなくなることはありません。
この働きを理解していれば答えられるでしょう。
解答例
「森林が地中に水を蓄え、少しずつ下流に流す働き。」
Bについて
これも非常によく見かける問題です。
森林は落ち葉などを出し、土の中に栄養をもたらします。
その土の中を水が通ることで、栄養のある水が川に流れ込みます。
その水が海にたどり着き、海藻やプランクトンを育てます。
したがって、豊かな森林があると海の生物が育つのです。
よくある出題としては、漁師さんが山に植林をする活動をするのはなぜか、というようなものです。
全く同じ解答になると思います。
解答例
「森林が栄養豊かな水を作り出す働き。」
社会は知識が絶対に必要です。
でも、単語を覚えるだけで得点できる科目ではありません。
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