志望校の選び方 偏差値以外の基準

受験シーズンが近づくと、多くのご家庭で話題の中心となるのが「志望校選び」です。
その際、最も分かりやすい指標として偏差値が注目されがちですが、
偏差値だけで学校を選んでしまうと、入学後に「こんなはずではなかった」というミスマッチが起こる可能性があります。お子さんが充実した学校生活を送るためには、偏差値という一つの物差しだけでなく、様々な角度から学校を見つめ、
ご家庭の教育方針やお子さんの個性に合った一校を見つけ出すことが何よりも大切です。

この記事では、偏差値以外の志望校選びの基準について、詳しく解説していきます。

毎日のことだからこそ重要な「通学時間」

まず考えておきたいのが、自宅から学校までの通学時間です。
これは3年間、あるいは6年間、毎日続くことなので、想像以上に学校生活に大きな影響を与えます。

例えば、通学時間が片道1時間半かかる場合、往復で3時間もの時間を移動に費やすことになります。
この時間は、勉強や部活動、趣味、あるいは休息に使えるはずの大切な時間です。
特に、部活動に力を入れたいお子さんにとっては、朝練や夕方の練習後の帰宅が大きな負担になりかねません。

睡眠時間が削られてしまい、授業に集中できなくなるという悪循環に陥る可能性も考えられます。
もちろん、電車の中で単語帳を開いたり、読書をしたりと、時間を有効活用することもできますが、
まずは無理なく通える範囲で学校を探すことが、充実した学校生活を送るための土台となるでしょう。

学校生活の雰囲気を大きく左右する「男女別学・共学」

学校の性別構成、つまり男子校、女子校、共学のどれを選ぶかという点も、
学校生活の雰囲気を大きく決定づける重要な要素です。

異性の目を気にせず、のびのびと学校生活を送りたい、
あるいは同性だけの環境で友情を深めたいと考えるお子さんには、別学が合っているかもしれません。

一方で、多様な価値観に触れながら、男女が協力し合う環境で社会性を身につけてほしいと考えるならば、
共学が魅力的に映るでしょう。

これには正解はなく、どちらがお子さんの性格や成長にとってプラスに働くかをじっくりと考える必要があります。
思春期の多感な時期をどのような環境で過ごすかは、人格形成にも少なからず影響を与えるため、
お子さんの意見も尊重しながら慎重に検討したいポイントです。

宗教教育の有無と特色「ミッション系スクールという選択」

学校によっては、特定の宗教に基づいた教育、いわゆるミッション系の学校も数多く存在します。
キリスト教や仏教など、その教えは様々ですが、共通しているのは単なる学力向上だけでなく、
宗教的な価値観に基づいた人間教育に力を入れている点です。

礼拝の時間があったり、宗教に関連する行事が年間を通して行われたりします。
こうした環境は、豊かな情操を育み、他者への思いやりや奉仕の精神を養う上で大きな役割を果たすでしょう。

ご家庭の教育方針と学校の宗教的な背景が一致していれば、お子さんにとって非常に有意義な学びの場となります。
一方で、特定の宗教観に馴染めない場合は、学校生活が窮屈に感じられる可能性もあるため、
事前に学校の教育理念や具体的な活動内容を詳しく調べておくことが不可欠です。

大学受験を見据えるか、内部進学か「進学校と大学付属校」

中学校や高校卒業後の進路をどのように考えているかによって、
進学校と大学付属校のどちらを選ぶべきかが変わってきます。

進学校は、生徒の多くが大学受験を目指す学校です。
そのため、カリキュラムは大学入試を強く意識したものとなっており、
周りの生徒たちと切磋琢磨しながら高いレベルの学力を身につけることができます。

できるだけ多くの選択肢の中から、自分の実力で進みたい大学を選びたいという明確な目標がある場合には、
進学校が適しているでしょう。

それに対して大学付属校は、一定の学業成績を修めることで、系列の大学へ内部進学できる制度が整っています。
大学受験という大きなプレッシャーから解放され、部活動や研究活動、課外活動など、
自分の興味関心をとことん追求できるのが最大の魅力です。

ただし、必ずしも希望の学部に進学できるとは限らないため、
内部進学の条件は事前にしっかりと確認しておく必要があります。

お子さんに合った環境を見つける「校風や教育方針」

学校には、それぞれ独自の「校風」や「教育方針」があります。

生徒の自主性を重んじる自由な校風の学校もあれば、厳しい規律のもとで礼儀作法を徹底する学校もあります。
また、国際教育に力を入れていたり、理数系教育に特化していたりと、その特色は多岐にわたります。
お子さんの性格が、学校の雰囲気と合っているかどうかは、学校生活の満足度を大きく左右する重要なポイントです。
活発で自己主張が得意なお子さんなら自由な校風でのびのびと成長できるかもしれませんが、
おっとりとした性格のお子さんであれば、手厚いサポートのある面倒見の良い学校の方が安心できるかもしれません。

これらはパンフレットやウェブサイトだけでは分からない部分も多いため、
学校説明会や文化祭、公開授業などに積極的に足を運び、
実際の生徒の様子や先生方の雰囲気を肌で感じ取ることが非常に重要です。

青春を彩る大切な要素「部活動の充実度」

多くのお子さんにとって、部活動は学校生活の大きな楽しみの一つであり、
人間的に大きく成長できる貴重な機会でもあります。

もし、お子さんが「この部活に入りたい」という強い希望を持っているのであれば、
その部活動が志望校にあるか、そしてどのくらいのレベルで活動しているのかを調べておくことは必須です。
全国大会を目指して本格的に活動しているのか、あるいは皆で楽しく活動することを目的としているのかによって、
練習の厳しさや雰囲気が大きく異なります。

また、活動場所や設備が整っているかも確認しておきたい点です。
部活動に打ち込む経験は、学業だけでは得られない協調性や忍耐力、目標達成能力を育みます。

勉強のモチベーションを維持する上でも、部活動の存在は大きな支えとなるでしょう。

意外と見逃せない「制服のデザイン」

制服は、毎日身につける学校の顔ともいえる存在です。
保護者の方からすると些細なことと感じるかもしれませんが、
お子さんにとっては、制服のデザインが学校選びのモチベーションに繋がることも少なくありません。

「あの素敵な制服を着て学校に通いたい」という気持ちが、
大変な受験勉強を乗り越えるための原動力になることもあります。

近年では、伝統的なデザインのものから、有名デザイナーが手がけたスタイリッシュなもの、
さらには性別に関わらずスラックスやスカートを選べるなど、多様性に配慮した制服も増えています。

お子さんの好みを尊重し、選択肢の一つとして考えてみるのも良いでしょう。

卒業後の未来を描く「進路・進学実績」

学校の出口である進路や進学実績も、もちろん重要な判断基準です。
ただし、ここで注意したいのは、単に難関大学の合格者数だけを見て判断しないということです。
その実績が、現役生のものなのか、それとも浪人生を多く含んだ数字なのかを確認する必要があります。

また、特定の大学への進学者が多いのか、それとも多様な大学・学部に進学しているのかという点も、
学校の進路指導の方針を知る上で参考になります。

国公立大学への進学率や、指定校推薦の枠がどれくらいあるのかといった情報も、
お子さんの希望する進路によっては重要な要素となります。

卒業生がどのような未来を歩んでいるのかを多角的に見ることで、
その学校の教育の成果をより深く理解することができるでしょう。

すべてを叶えるのは難しい「優先順位の決め方」

ここまで様々な視点をご紹介してきましたが、
これらすべての条件を完璧に満たす学校を見つけるのは、残念ながら非常に困難です。

だからこそ重要になるのが、「優先順位」を決めることです。
まず、これまで挙げてきた基準の中で、
ご家庭として、そしてお子さん自身が「これだけは絶対に譲れない」という条件をいくつか選び出してください。
例えば、「通学時間は1時間以内」「大学付属校であること」「〇〇部があること」といった具体的な条件です。
次に、「できれば満たされていると嬉しい」という条件を考えます。

この作業を通じて、ご家庭の志望校選びの「軸」が明確になります。
軸が定まれば、数多くの学校の中から候補を絞り込みやすくなり、
情報収集も効率的に進めることができるようになります。

第二志望以下の学校選び「賢い妥協点の見つけ方」

受験においては、第一志望校だけでなく、第二志望、第三志望といった併願校選びも非常に重要です。
第一志望校は、まさに理想の学校かもしれませんが、
併願校を選ぶ際には、何かしらの「妥協」が必要になるケースがほとんどです。

その際に役立つのが、先ほど決めた優先順位です。絶対に譲れない条件は維持しつつ、
優先順位の低い条件から妥協できる点を探していきます。

例えば、「第一志望は共学が良かったけれど、校風がとても魅力的なので、第二志望は女子校でも検討してみよう」
といった具合です。
どの条件なら妥協できるかをあらかじめ親子で話し合っておくことで、
いざ出願という段階で慌てることなく、冷静に判断することができます。

万が一、第一志望校に届かなかった場合でも、「ここなら楽しく通える」と心から思える学校を選んでおくことが、
納得のいく受験に繋がります。

納得のいく志望校選びと合格のために

このように、偏差値以外にも志望校を選ぶ基準は数多く存在し、納得のいく一校を見つけるためには、
多角的な視点と丁寧な情報収集が欠かせません。

そして、目標とする志望校が定まったなら、次はその合格を勝ち取るための学力向上が不可欠となります。
しかし、「部活動が忙しくて、塾に通う時間がない」「集団授業では、自分のペースで質問しづらい」といった悩みを
抱えているお子さんも多いのではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひオンライン・完全個別指導塾Soleadoにご相談ください。
Soleadoは、ご自宅のパソコンやタブレットを使って受講できるオンライン指導なので、
塾への移動時間は一切かかりません。
部活動や習い事で忙しいお子さんでも、ご自身のスケジュールに合わせて効率的に学習時間を確保することが可能です。

また、指導は完全個別形式で行われるため、一人ひとりの学力や志望校のレベル、
そして何よりお子さんの個性に合わせたオーダーメイドのカリキュラムで学習を進めることができます。

偏差値という画一的な基準で判断するのではなく、お子さん一人ひとりの目標と真摯に向き合い、
志望校合格まで責任を持ってサポートいたします。

まずは、無料の学習相談で、現在のお悩みや目標をお聞かせください。
納得のいく志望校選びと、その夢を実現するための第一歩を、Soleadoが全力で応援します。