学校が始まるまでにやっておくこと

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長かったようで短かった夏休みも、いよいよ終わりに近づいてきました。
楽しかった思い出を胸に、少しだけ寂しい気持ちと、
これから始まる新学期への期待が入り混じった複雑な心境を抱えている方も多いのではないでしょうか。

特に、中学3年生や高校3年生といった受験を控える皆さんにとっては、2学期はまさに天王山です。
有意義な夏休みを過ごせた人も、少し心残りがある人も、
この学期の始まりをスムーズに迎えるために、今から準備できることがあります。

今回は、学校が始まるまでにぜひやっておいていただきたい大切な準備についてお話します。

まずは生活リズムの再構築から

夏休みの間、多くの人が夜更かしや朝寝坊といった、普段とは異なる生活リズムで過ごしていたことでしょう。
友人との交流や趣味の時間、そしてもちろん学習塾の夏期講習など、
日々の活動が学校のある期間とは大きく変わるため、生活リズムが乱れてしまうのはある意味で仕方のないことです。

しかし、そのリズムのまま新学期に突入してしまうと、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
朝起きるのが辛い、午前中の授業に集中できない、日中に強い眠気に襲われるといった症状は、
学習効率を著しく低下させる原因となります。
せっかくの2学期のスタートで出遅れてしまわないためにも、
まずは生活リズムを学校モードへと切り替えることが最優先事項です。

いきなり普段通りの時間に起きようとしても、身体がついていかず、かえってストレスを感じてしまうかもしれません。
おすすめなのは、段階的に調整していく方法です。例えば、まずは就寝時間をいつもより30分早めてみる、
そして翌朝は30分早く起きるように意識することから始めてみましょう。

それを数日続け、慣れてきたらさらに30分早める、というように少しずつ身体を慣らしていくのです。
また、就寝前のスマートフォンの操作やゲームは、脳を覚醒させてしまい、質の高い睡眠を妨げる大きな要因です。
意識的にスクリーンから離れる時間を作り、静かに読書をしたり、リラックスできる音楽を聴いたりするなど、
心と身体を落ち着かせる習慣を取り入れることも非常に効果的です。

充実した学校生活の土台は、健やかな心身にあり、その基本は毎日の規則正しい生活リズムから作られるのです。

夏期講習の成果を無駄にしないために

この夏、夏期講習に参加し、毎日長時間にわたって学習に打ち込んだ皆さんは、
本当に素晴らしい努力をされたことと思います。

苦手科目の克服や得意科目の伸長など、確かな手応えを感じている方も多いでしょう。
その努力と成果は、間違いなく2学期以降の大きな財産となります。

しかし、ここで一つ注意しておきたい落とし穴があります。
それは、学校開始に伴う「学習時間の急激な減少」です。
夏期講習期間中は、一日の多くの時間を勉強に充てることができましたが、
学校が始まれば、授業や部活動、学校行事などで、自由に使える時間は必然的に限られてきます。

この変化に無自覚なまま新学期を迎えると、
「夏休み中はあんなにできていたのに、今は全然勉強できていない」
という焦りや自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。

これが学習意欲の低下、いわゆる「燃え尽き症候群」のような状態につながるケースも少なくありません。
夏に蓄えた知識や学力は、継続的な学習によって維持され、定着していくものです。

せっかくの頑張りを水の泡にしないためにも、夏休みと同じ量の勉強ができないのは当然であると認識した上で、
2学期の生活の中で、どのように学習を継続していくかをあらかじめ考えておくことが極めて重要になるのです。

「できる勉強」を具体的にシミュレーションする

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。

それは、「2学期の自分の生活をリアルに想像し、
確保できる学習時間とその中でできる学習量を具体的にシミュレーションしておく」ことです。

まずはカレンダーや手帳を用意し、学校の時間割、部活動や習い事の予定を書き込んでみてください。
そして、平日の放課後、実際に自分が机に向かえる時間はどれくらいあるのか、
休日はどのくらいの時間を学習に充てられるのかを可視化してみましょう。
おそらく、夏休み期間中とは比較にならないほど、学習に使える時間が限られていることに気づくはずです。

次に、その限られた時間の中で、どの教科のどの単元を、どれくらいの量進められるかを考えてみます。
例えば、「平日は帰宅後、夕食と入浴を済ませた後の2時間を学習時間とし、
数学の問題集を2ページ、英単語を30個覚える」といったように、具体的であればあるほど良いでしょう。

大切なのは、高すぎる目標を立てないことです。
実現不可能な計画は、三日坊主で終わってしまうだけでなく、計画倒れしたという事実が自己肯定感を下げてしまいます。
最初は「これなら絶対に続けられる」と思える最低限のラインから始め、
習慣化できてきたら少しずつ量を増やしていくのが成功の秘訣です。

この「事前のシミュレーション」こそが、2学期の学習をスムーズな軌道に乗せるための羅針盤となるのです。