国語 読解ができるようになる秘密 線を引く

国語の読解ができない生徒さんの問題用紙を見ると、
本文の部分・問題部分への書き込みが全くないということが
少なくありません。

だってさ。

どこに線をひいたらいいかわからないし。

線をひいても点数が上がるわけじゃないでしょ?

別にいいじゃん

よく「線をひけ」と言われます。
何のために線を引くのか?
どこに線を引くのか?
を考えてみましょう。

何のために線を引くのか?

「どこが大切なのかわかるようにするため」

これがよく言われることですよね。
これができれば一番いいんです。

でも、それができないから困っているのでしょう。
そこで、私が最初の段階で生徒さんに線をひいて欲しいと伝えるのは以下の2点です。

① その文章のストーリーがわかるようにする

例えば、以下の文章があります。

むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山に柴かりに、おばあさんは川に洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、
大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと川を流れてきました。
おばあさんはびっくりぎょうてんしました。

おばあさんはおじいさんを喜ばせようと、
桃を家に持って帰りました。

おじいさんは
「美味しそうな桃だ」
とニコニコしています。

二人が桃を食べようと、桃を割ると
なんと、中から元気な赤ちゃんが出てくるではありませんか。

二人はかわいい赤ちゃんを見て大喜び。
桃から生まれたので桃太郎と名付け、大切に育てました。

言わずと知れた桃太郎の冒頭部分です。
(文章自体は私が作ったものです)

さて、ここで考えてください。
この文章の内容を1行で説明してください。

思いつきましたか?

「おばあさんが川から拾ってきた桃から赤ちゃんが産まれた」

これでどうでしょうか?

そうしたら、その部分に線が引いてあればいいのです。

むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山に柴かりに、おばあさんは川に洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、
大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと川を流れてきました
おばあさんはびっくりぎょうてんしました。

おばあさんはおじいさんを喜ばせようと、
桃を家に持って帰りました。

おじいさんは
「美味しそうな桃だ」
とニコニコしています。

二人が桃を食べようと、桃を割ると
なんと、中から元気な赤ちゃんが出てくる
ではありませんか。

二人はかわいい赤ちゃんを見て大喜び。
桃から生まれたので桃太郎と名付け、大切に育てました。

こんな感じでどうでしょうか?

線を引いてあるところを繋げれば、その物語のストーリーがわかる。
これができたらたいしたものです。

また、物語文ならば登場人物の気持ちがわかるところも線をひいておくといいですね。

むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山に柴かりに、おばあさんは川に洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、
大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと川を流れてきました
おばあさんはびっくりぎょうてんしました。

おばあさんはおじいさんを喜ばせようと、
桃を家に持って帰りました。

おじいさんは
「美味しそうな桃だ」
ニコニコしています

二人が桃を食べようと、桃を割ると
なんと、中から元気な赤ちゃんが出てくる
ではありませんか。

二人はかわいい赤ちゃんを見て大喜び
桃から生まれたので桃太郎と名付け、大切に育てました。

このような感じです。

説明文ならば、
「その文章で何を説明したいのか」
「それに対してどのような結論なのか = 筆者の意見」
の部分となります。

今回は物語文を主に例としますので、こちらの例はまたの機会に。

② 答えの根拠にしたところ

私はこちらの方を重視しています。

本文の後に問があります。
その問の根拠となったところに線をひいて欲しいのです。

例えば、ある問があって、それに回答をした。
「何でこの答えになったの?」
「本文にこうこう書いてあったからです」
授業中によくある会話です。
しかし、
「それ、どこに書いてあったの?」
と聞き返すと、
それから探し出すということがよくあります。

まず、これをなくして欲しいのです。
もう線が引いてあって簡単に探せるという状態にして欲しいのです。
授業の時間が無駄だから。
それも一つの理由です。

しかし、最大の理由は。
探してみると、そんなこと書いていない
ということが多いのです。

どういうことかというと、
頭の中に残った記憶で解いているのです。
微妙に内容が違っているということはままあります。

必ず根拠になる部分は確認してほしい。
(重要だと思って線をひいたところが根拠になればさらに良い。
練習すれば、必ずそうなります)
確認してから答えを選んで欲しいのです。

以上の2点をまずはやってみてはいかがでしょうか?

まとめ

気をつけていただきたいのは、
線を引くことが目的ではない
ということです。

上手に線をひけても
最終的に点数が取れなければ受験勉強としては意味がありません。

ただ、線を引くということは
意識して本文を読んでいるということでもあります。
その状態にするためにどうしたらいいのか、
という一つの手段が線を引くです。

絶対の正解がないならば、
各個人のやりたいようにやればいいと思います。

でも、やりたいようにやるのが難しいから、
最初は習うのが一番だと思います。

個別指導ならば、あなたの線の引き方を
一つ一つ見てもらうことができます。

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