共通試験 地理の勉強法

共通試験地理とは

試験時間は60分。大問は5つ、小問は30で2023年、2024年とも共通です。
回答する数は2022年は31、2023年は30でしたが、誤差の範囲だと言えます。

第4問で地誌が出題されています。2023年は環太平洋地域でした。
以前見られた比較地誌はここ2年は出題されていません。

全ての問題にグラフや表、図が使われています。
つまり、資料を読み取る力が必要になります

また、地名などの知識を直接問う問題はありません
地理の知識を使い、資料を読み取って考えて回答することが必要です。

やるべきこと

まず、地誌よりも系統地理をしっかりと学習してください
地形についても、細かく地名を覚えるよりもどのような地形でどのような特色があるのかをしっかりと覚えていきましょう。

注意する点として、海底地形です。
広がる境界、狭まる境界、海溝、ホットスポットなどはしっかりと覚えておく必要があります。
主に第1問で問われてきますが、非常に難しく感じると思います。
海底地形は地名まで覚える必要はありませんが、意識して学習する必要があります。

また、一つ一つの国・都市を覚えるよりも比較で覚えていくことも大切です。
例えば、「この都市の人口は何人」と覚えるよりも、
「この都市は首位都市、首都が首位都市ではない」というように覚えていく方が使える知識になります。
その他にも、世界を広く見て、「1000万都市」「300万都市」というように覚えていくと、
共通試験では得点しやすくなります。

なぜそんなことが起こるかというと、資料とともに出題されるからです。
表になって出てくる時に「人口」という項目がある場合、
複数の都市の人口を比較していくことになります。
したがって、そのような覚え方が大切になります。

前提となる力

まず、中学までの地理の知識は必要です。

例えば、都道府県です。
日本に関する問題も出題されますが、都道府県名がわからないという状態だと厳しいと思います。
もちろん、都道府県名を問われることはありませんが、
各都道府県の特色を表から読み取ることは必要です。

同じように、中学生までで学習した範囲で構いませんので、都市名を聞いた時に特色がわかることも必要です。
例えば、浜松と聞いて工業がさかんな都市だ、焼津と聞いたら漁業がさかんな都市だ、などです。

次に、資料を読み取る力です。
何を持って資料を読み取っているかがわからないかもしれません。
私が求めているのは、
資料の内容を言葉にする
ということです。

グラフを見て、
「Aは⚫︎⚫︎が年々上昇しているが、Bは⚫︎⚫︎が年々加工している。」
写真を見て、
「Aは森林に覆われているが、Bは草原に覆われている。」
というように言葉にできることが必要です。
また、割合と量の違いもわかっていることが大切です。
(意外と出題されています)

以上の力があれば、共通試験地理で70点まで伸ばすことはそれほど難しいことではないでしょう。

具体的な学習方法

まず、地誌のテキスト地図帳統計資料集を用意します。

地誌のテキストは一回読み込みましょう。
ここで注意するのは「考え方」です。
単純に「ここで何が取れる」と覚えるのではなく、「なぜ取れるのか」を読んでいくことが大切です。
例えば、地下資源の分布を学習するときに、それが安定陸塊で取れる、古期造山帯で取れる、新期造山帯で取れる、
というように分類していくことです。
さらに、なぜそのような分類になるのかまで理解できれば完璧です。

以上のことを行った上で問題演習をしましょう。
共通試験の過去問(センター試験のものを使っても大きな問題はない)をどんどん解いてください。
間違えたものに対して、「なぜ、その答えになるのか」をしっかりと復習しましょう。
解説をしてもらえたら一番だと思います。

その時に、知らなかった地名は地図帳で調べ、印をつけましょう。
また、統計資料は資料集でチェックしましょう。もちろん、これも印をつけます。
必要な内容はどんどん書き込んで構いません。

これを繰り返していくと、何度も調べているものがどれかわかります。
何度も調べるものは重要であると同時に、自分の苦手でもあります。
地図帳と資料集にはどんどん書き込んでいきましょう
市販の書き込み式地理ノートを利用してもいいと思います。

共通試験地理は知識を直接問われる試験でないため、問題演習が非常に効果的です。

勉強時間はどのくらい必要?

4月から学習を始めて、共通試験の目標が「最低70点」だとしたら、
系統地理の参考書を夏休み前までに終わらせましょう。

問題演習は並行して初めていきます。
私が「必ずやってほしい」と言っているのは、5月以降毎週必ず大問1つ解いて復習すること、です。

これを11月まで続けた上で、残りの期間は苦手の復習、さらに上積みを目指すなど個人の課題を克服する時期です。

特に理系の生徒さんは地理にかけられる時間はそれほど多くないと思います。
以上の内容ならばなんとかできるのではないでしょうか?

これが、「80点以上」「90点以上」を目指すとなると、さらに学習が必要になります。

共通試験で70点を取れそう、という力がついた時点でさらに上を目指していきましょう。
具体的には80点、90点を目指すために地誌にも学習範囲を広げる、
ケッペンの気候区分も共通試験ではそのものを問うことはありませんが、
知識として使うことはあるので、細かいところまで学習する、などです。

また、私立大学で地理を使うという方は、共通試験で70点が取れるというところまで早く持っていきましょう。
イメージは夏休み前です。
夏休みからは、地誌などを細かく学習していく時間になります。

いずれにしろ、基礎力 + 資料の読み取り・思考力・判断力で共通試験7割はクリアできます。

オンライン・完全個別指導塾Soleadoでは、共通試験地理講座を開講しています。
理系で共通試験でしか地理を使わない・勉強時間をそれほど取られたくない、などの生徒さんにもおすすめです。
もちろん、私立大学の地理対策授業も可能です。

それぞれの生徒さんに合わせて、どのような参考書、問題集を使えばいいのかなどのアドバイスも行います。

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