【中学受験注目校】学習院中等科〜のびのびと過ごせる伝統校〜

１　学校の概要

学習院中等科は、東京都豊島区目白に位置する歴史ある私立男子中高一貫校です。

1847年に京都で創設され、1877年には華族学校として発展した長い歴史を持ち、
現在の中等科は1947年から教育を開始しました。

JR目白駅から徒歩30秒、雑司が谷駅から徒歩7分という抜群の立地にありながら、
大学と共用する緑豊かな広大なキャンパス環境で、都心でありながら自然を感じられる恵まれた教育環境が魅力です。

学習院全体の教育理念は「ひろい視野」「たくましい創造力」「ゆたかな感受性」の三つを柱とし、
これらを具体的に育成することを目標としています。

校風は「人格教育と礼儀」を重視し、生徒の日常を通して礼儀・思いやり・協調性を養うことに力を入れています。
伝統を尊重しながらも、個性や創造性の発揮を後押しする落ち着いた校風が特徴的です。

生徒数は1学年約200名（5クラス×40名編成）で、
初等科からの内部進学者約60名と外部入学者が混在する環境で学びます。

中等科では比較的厳格な指導が行われ、
高等科では生徒の自主性を重んじる方針へと段階的に移行する6年間の教育システムが確立されています。

２　入試情報

◆ 偏差値

学習院中等科の四谷大塚偏差値は以下の通りです。

第1回入試（2月2日）が偏差値54、第2回入試（2月3日）も偏差値54となっており、安定した人気を示しています。
帰国生入試（12月4日）は偏差値51と、若干低めの設定となっています。

これらの偏差値は受験校選びや学習計画を立てる際の重要な指標となります。

◆ 倍率

過去3年間の入試倍率は以下の通りです。

2025年度入試では第1回が2.4倍、第2回が4.0倍となりました。2024年度は第1回が2.7倍、第2回が4.6倍、
2023年度は第1回が2.1倍、第2回が3.4倍でした。

第2回入試の倍率が第1回より高く、複数回受験者への優遇措置もあるため、第1回からの受験が有利とされています。
帰国生入試は例年1.4倍から1.8倍程度で推移しており、比較的安定した競争状況です。

◆ 入試日程

2026年度入試日程は現在準備中ですが、例年の傾向から第1回が2月2日午前、第2回が2月3日午前に実施されます。

試験科目は両回とも4教科（国語・算数・社会・理科）で、
配点は国語100点、算数100点、社会80点、理科80点の計360点満点です。

面接は実施されません。出願はWEB出願のみで、検定料は1回につき30,000円です。
合格発表も同日にWEBで行われ、入学手続きは発表当日または翌日に完了する必要があります。

３　教育・施設

◆ 教育内容

学習院中等科の教育の最大の特色は、少人数・習熟度別授業の充実です。

英語は週4～5時間、数学は週2～3時間を1クラス約20名で実施し、きめ細かな指導を行っています。
英語教育では「リーダー」「英会話」「LL」「英語演習」「選択英語」の5領域に分かれ、
3年次には10種目以上の選択科目が用意されています。
英会話はネイティブ教員と日本人教員によるチームティーチングで実践力を育成します。

国際教育にも力を入れており、
夏季のイングリッシュ・セミナーや2年生対象の9泊10日海外短期研修プログラムを実施しています。
これらのプログラムは生徒の国際的視野を広げる貴重な機会となっています。

伝統的な教育プログラムとして、
静岡県沼津市の校外施設で毎夏実施される3泊4日の臨海学校（沼津游泳教育）があります。
遠泳や漕艇訓練を通じて、体力向上と精神力の鍛錬を図る体験的学習として継承されています。

生徒用ノートパソコンの導入により、ICT教育環境も整備されており、1年次に学校指定のノートパソコンを購入し、
現代的な学習環境の中で教育を受けることができます。

◆ 施設

キャンパスは大学と共用する広大な敷地に豊富な施設が整備されています。

図書室は蔵書数約11万冊を誇り、蔵書管理から貸し出しまで全てオンライン化されています。
広い室内には共同研究室が2つあり、調べ学習や自習室としても活発に利用されています。
電子書籍をオンラインで貸出・閲覧できる電子図書館サービスも導入され、現代的な学習環境を提供しています。

部活動施設も充実しており、古武道部、アマ無線同好会、地学部などユニークなクラブ活動が多数存在します。
キャンパス内の自然環境を活かしたフィールドワークも人気の活動となっています。
ほぼ100%の生徒が何らかの部・同好会に加入しており、学習と課外活動の両立が図られています。

目白という都心の立地でありながら、緑豊かなキャンパス環境は学習院中等科の大きな魅力の一つです。
学習院創立百周年記念会館をはじめとする各種施設は、生徒の多様な活動をサポートする充実した環境を提供しています。

４　併願戦略

学習院中等科を受験する場合の併願戦略について、難易度別に整理します。
偏差値54という中堅上位校として位置づけられる学習院中等科は、バランスの取れた併願戦略が重要です。

◆ チャレンジ校

学習院中等科より上位の学校として、海城中学校（偏差値64）、本郷中学校（偏差値62）、
攻玉社中学校（偏差値60）、世田谷学園中学校（偏差値59）などが挙げられます。

これらの学校は学習院中等科を第一志望とする受験生が挑戦する可能性の高い難関校です。
特に海城や本郷は人気の高い進学校として知られており、学習院中等科との併願も多く見られます。

◆ 同等校

偏差値や校風が近く、併願されることが多い学校として、成城学園中学校（男子偏差値61）、
成蹊中学校（男子偏差値63）、明治大学付属中野中学校（偏差値66）、立教池袋中学校（偏差値62）などがあります。

特に成城学園は推薦権を保持したまま他大学受験が可能という点で学習院中等科と類似した特徴を持っています。
明大中野や立教池袋は大学付属校として人気が高く、学習院中等科との併願パターンでよく選ばれています。

◆ 安全校

合格の可能性が高いと考えられる併願先として、成城中学校（偏差値48）、城北埼玉中学校、
獨協中学校（偏差値50）、法政大学中学校（偏差値52）などが候補に挙げられます。

また、1月入試では栄東中学校（A日程）や埼玉栄中学校なども安全校として機能します。
これらの学校は学習院中等科の合格可能性を高めるための重要な選択肢となります。

併願校選びにおいては、単純な偏差値だけでなく、校風や教育方針、通学の利便性、
入試問題の傾向なども考慮することが大切です。

学習院中等科の入試問題は独特の傾向があるため、過去問研究を十分に行った上で併願戦略を立てることが推奨されます。

５　進学実績

学習院中等科卒業生の約95%は推薦により学習院高等科へ進学します。
高等科への推薦基準は主に中等科3年間の学業成績、操行、出席日数で判定され、
基準を満たせずに非推薦となる生徒は例年数名程度に留まります。
また、推薦を辞退して慶應系、早稲田系、国立大学附属高に進学する生徒も数名存在します。

学習院高等科卒業生の2025年3月の大学進学実績を見ると、
学習院大学への推薦進学者は114名（全体の約58.8%）となっています。
学習院大学の学部別では、法学部38名、経済学部36名、国際社会科学部24名、
理学部8名、文学部8名の順で進学しています。

他大学への合格状況では、
私立大学では慶應義塾大学15名、早稲田大学10名、上智大学9名、東京理科大学9名、明治大学9名、青山学院大学9名、
中央大学10名、法政大学4名など、難関私立大学への合格実績も豊富です。

国公立大学では東京大学1名、東北大学1名、千葉大学4名、東京農工大学1名、東京都立大学1名など、
幅広い進路選択が可能な環境が整っています。

医学部医学科への合格実績も注目すべき点で、千葉大学医学部、慶應義塾大学医学部、
順天堂大学医学部、日本医科大学、東京医科歯科大学などへの合格者を毎年輩出しています。
これは学習院高等科の理数系教育の充実を示すものといえるでしょう。
約4割の生徒が他大学進学を選択することからも、
生徒の多様な将来設計を支援する教育環境が整っていることが分かります。

６　まとめ

学習院中等科は、150年以上の伝統を持つ名門校として、
「のびのびと過ごせる伝統校」という表現がまさに相応しい学校です。

目白という恵まれた立地と広大なキャンパス、少人数制による丁寧な指導、充実した施設環境が三位一体となって、
生徒一人ひとりの成長を支えています。

偏差値54という中堅上位校としての位置づけながら、学習院大学への安定した進学実績と、
他大学への挑戦も可能な柔軟な制度により、多様な進路選択が実現できます。

礼儀と品格を重んじる校風の中で、国際教育や伝統的な体験学習を通じて、
真の教養と人間性を育むことができる貴重な教育環境といえるでしょう。

中学受験は人生の重要な転機の一つです。志望校選びから受験対策まで、
一人ひとりに最適な学習プランを提供することで、お子様の可能性を最大限に引き出すことが私たちの使命です。

学習院中等科をはじめとする志望校合格に向けて、オンライン・完全個別指導塾Soleadoでは、
経験豊富な講師陣がお子様の学習状況に合わせたきめ細かな指導を行います。

一人ひとりの学習ペースに合わせた完全個別指導だからこそ実現できる、効率的で確実な学力向上をお約束いたします。

志望校合格という目標に向けて、私たちと一緒に歩んでみませんか。まずはお気軽にご相談ください。