早稲田佐賀 新思考入試対策(文系)

早稲田佐賀・新思考入試の対策って難しいですよね。

そもそも、資料を読み取るって何か、ということです。

本記事は早稲田佐賀の新思考入試を意識して書きましたが、
よく考えると、現在の入試で必要とされる力なのかもしれません。

例題1

早稲田佐賀ホームページに出ているサンプル問題を例に挙げたいと思います。

先生
東京の7・8月は、1年で気温が最も高くなる時期ですが、
リオデジャネイロの7・8月の気温は1年間でみるとどうなっていますか。

Wさん
[あ]となっています。

先生
そうですね。つまり、東京とリオデジャネイロの季節は[い]になっていますね。

Wさん
どうしてそうなるのですか。

先生
東京,つまり日本は赤道より北にあり、リオデジャネイロは、赤道より南にあります。
赤道より北と南の地域では季節は[い]になります。

(1)空欄[あ]に入る言葉を書きなさい

(2)空欄[い]に入る適語を書きなさい

早稲田佐賀中ホームページ 新思考入試サンプル問題より

さて、この問題を見てどのように感じましたか?

まず、大人ならグラフを見なくても解けそうですね。
(中学入試受験生でもそうかもしれません)

ただし、どのような力を求められているのかを考えてください。
これはグラフの内容を説明してほしいのです。

つまり、グラフの内容を言葉にできればいいということです。

ちなみに、これをやらせてみると意外にできません。
会話ならできるのです。

「リオデジャネイロの7・8月の気温は1年間でみるとどうなってる?」
「低い」

このような会話は授業中によく出てきます。

ところが、文章で書くとなるとできなかったりします。
例えば、[あ]の回答に「低い」と書いたらどうなるでしょうか?
当然不正解でしょう。

解答例ですが、
「1年で気温が最も低くなる時期」
でどうでしょうか?

ずるいと言われるかもしれませんが、
会話文中に東京について「1年で気温が最も高くなる時期」と書いてあります。
ここをヒントに書きました。

空欄補充は前後の文章と繋がる言葉を入れる必要があります。
また、私が指導するときによくいうことですが、
「何について述べているのか」「どうなっているのか」を入れることも必要です。

学習方法

では、どのように学習を進めればいいのでしょうか?
それがわからなければ対策も何もありません。

まず、一番効果があるのは過去問です。

その上で、普段からグラフの内容を言葉にしてみるといいと思います。

次のグラフはどうでしょうか?

この場合1979年、1999年、2019年を比較したいことがわかります。
ということはグラフの内容を言葉にするときも比較をすることが必要です。

比較(比べる)とは同じところは何か、違うところは何かをはっきりさせるということです。

同じところは
15〜19才の労働力率は低く、20〜24才になると急に労働力率が上がります。
また、70才以降も低くなっています。

違うところは
特に25〜29才、30〜34才で2019年はあまり労働力率が落ちませんが、
1999年は落ち込んでおり、1979年はもっと落ち込んでいます。

さらに、落ち込みは1979年は25〜29才で大きく落ち込んでいますが、
1979年になると、25〜29才での落ち込みは1979年ほどではありません。

この程度できればいいでしょうか。(もちろん、もっと詳しく書こうと思えばできる)

その上で、問題を見てみましょう。

先生
この資料から日本の女性の就業はどのような特徴があるかわかりますか。

Wさん
はい,昭和54年から和年のグラフの形に注目して次のようにまとめてみました。
昭和54年と平成11年のグラフはアルファベットの「Mのかたち」のようになっています。
日本の女性就業率は、20~24歳の年代を頂点に、30~34歳の年代まではいったん下がり、
その後、上昇しています。これは、女性は、[え]後はいったん仕事を辞め、
そして、[お]後に再び働き出す傾向があったからです。
しかし、和元年のグラフを見ると「Mのかたち」がわかりにくくなっています。
また,労働力率も高い数値となっています。
つまり、現在は、[え]や[お]などに関係なく働く女性が増えていることが分かります。

先生:そのとおりですね。よくまとめることができています。

早稲田佐賀中ホームページ 新思考入試サンプル問題より

先ほどの文章と同じ内容ですね。

これに、「結婚を機会に辞める」「出産を機会に辞める」
「育児がひと段落したときに仕事に復帰する」という知識を使う問題になっています。

この問題の方が、先ほどよりもグラフを日本語に直す力は必要ないかもしれません。
しかし、やらなければならないことは同じです。

「うちの子は問題をよく読まない」
というお悩みを保護者さまから聞くことがままあります。

2つ目の問題などはいい例ですが、
ぱっと見文章だけで解けそうなのでそうなっている可能性があります。

早稲田佐賀中の新思考入試だけでなく、資料を読み取るというのはこのような力が問われています。

一つの例ですが、このようなことをしてみてもいいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です