国語・物語文で読み取ること3

さて、物語文の読解の3回目の記事です。

1回目は「成長」2回目は「場面」がテーマでした。
今回のテーマは「登場人物」です。

国語の物語文を読む際に、登場人物を正しく理解することは非常に重要です。登場人物を捉えることができれば、物語の流れやテーマを深く理解する手助けとなります。ここでは、中学生向けに登場人物をどのように捉えるか、具体的な方法とポイントを解説します。

登場人物は誰?

まず、当たり前ですが、登場人物が誰なのかを把握しましょう。

簡単、と思って油断しないでください。
例えば、登場人物に丸をつけていきましょう。
ただし、2回目の登場の時は丸をつけない、というルールにします。

すると、読み間違えていることがあることに気が付きます。

登場人物の呼び方が変わることがあるのです。
最初は「⚪︎⚪︎(名前)」だったのが、途中で「△△(あだ名)」と出てきたりします。
家族間では「お兄ちゃん」と呼ばれたり。

それに気が付かずに2人の人物と思っていませんか?
もちろん、読解力がないというつもりはありません。
ただ、このような「ミス」を防ぐためにも、
登場人物には最初に出てきた時に丸をつけるなどの作業をして欲しいのです。

登場人物の外見と性格を読み取る

物語文を読むとき、まずは登場人物の外見や性格に注目しましょう。
これらは作者が物語の中でどのように描写しているかを読むことでわかります。

外見の描写

登場人物の服装や容姿、しぐさなどが描かれている部分を注意深く読みます。
たとえば、「長い黒髪」や「大きな眼鏡をかけている」などの描写です。

性格の描写

登場人物の行動や言葉から性格を推測します。

「いつも笑顔で周りを元気づける」や「内向的で静かな性格」など、
行動や対話から性格が浮かび上がってきます。

登場人物の心理を読み取る

登場人物の心理を読み取ることも重要です。
心理描写を通じて、登場人物がどのような感情を抱いているのか理解することができます。

内面の独白

登場人物が自分の気持ちを語る場面を見逃さないようにしましょう。
たとえば、「彼女は心の中で深い孤独を感じていた」といった描写です。

行動から心理を推測

登場人物の行動や反応からその心理を推測します。
例えば、ある登場人物が他の人物に冷たく当たる場面では、その裏に嫉妬や不安があるかもしれません。
もちろん、情景などは登場人物の心理を反映しています。
そこを意識して登場人物について読み解いていきましょう。

登場人物の関係性を読み取る

登場人物同士の関係性を理解することで、物語の背景や進行がより明確になります。

対話の内容

登場人物同士の会話を通じて、彼らの関係性を読み取ります。
例えば、親友同士の会話と、初対面の人同士の会話では、言葉遣いや話し方が異なります。

関係性の変化

物語が進むにつれて登場人物同士の関係がどのように変化するかを注意深く見守りましょう。
初めは敵対していた二人が、後に協力し合うようになる場合もあります。

登場人物の役割を理解する

物語の中で登場人物がどのような役割を果たしているかを理解することも大切です。
例として2つの役割を挙げましたが、その他の役割もあります。
物語の中でどのような役割を果たす人なのかをよく考えてみましょう。

主人公

主に物語を通じて成長する人物。彼らの目標や課題に注目します。

脇役

主人公を支えたり、対立したりする人物。彼らの役割が物語全体にどう影響を与えるかを考えます。

読み取りの勉強方法

物語の読解は勉強が難しい、と思われがちです。
もちろん、塾などで習うというのがいいと思いますが、
たとえ習っていても自分で練習することは必要です。

その時にできることを挙げてみました。

繰り返し読む

一度読んだだけでは見落とすことがあるので、繰り返し読み返します。
2回目・3回目になると新たな発見があるのではないでしょうか?
その時に、なぜ1度目は読み取れなかったのかを自分なりに考えてみてください。
そして、「こういうことに気をつけよう」ということを考えられれば十分です。

メモを取る

登場人物の特徴や心情をメモしておくと、後から見返すときに役立ちます。
メモが面倒ならば本文に線を引いて、必要なことを書き込む、でもいいです。

これをやることで、読解している時に自分が何を考えたのかを残すことができます。
それを反省することで読解力のアップにつながります。

線を引いても得点が上がらない、という生徒さんは少なくありません。
それに対して私はこう答えます。
線を引いたら解けるのではない。
線を引いて、勉強すると読解力が上がります。

登場人物の相関図を作る

登場人物同士の関係を図にすることで、関係性がより明確になります。

これは登場人物が多い物語でやってみると効果があります。
先ほどの線を引くと違うのは、その場で効果があるということです。

登場人物の関係性がはっきりすることで問題を解きやすくなります。

質問を立てる

例えば、「この登場人物はなぜこのような行動を取ったのか?」
といった質問を自分に投げかけながら読むと、理解が深まります。

これは読み終わった(時終わった)後にやってみてもいいと思います。

まとめ

登場人物を捉えることは物語文を深く理解するための基本です。
外見や性格、心理、関係性、役割などに注意を払いながら読み進めることで、
物語の背景やテーマをより深く理解することができます。

繰り返し読み、メモを取り、相関図を作成し、自問自答を繰り返すことで、
登場人物の理解がさらに深まるでしょう。

今回も「心理を読み取る」を入れましたが、
この部分については改めて記事を作りたいと思います。

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