偏差値が大きく変動した学校は?(女子・埼玉)
2024年の日能研結果R4が掲載されました。
家を探したら、2014年のものが見つかったので、
この10年で大きく偏差値が変動した学校を見てみました。
今回は1月に受験を実施した学校、女子の偏差値を見てみました。
目安としては偏差値5ポイント以上変動した学校を見ました。
多くの入試形態がある場合や、そもそも入試形態が変わっている場合もあります。
そのような場合は、一番高いもの同士を比べました。
(ただし、午前入試と午後入試は比べていません。)
また、R4表に出ていたものだけを比較していますので、
それ以外にも該当する学校があるかもしれないことはご了承ください。
偏差値が上がった学校
栄東中学校
(東大1 65 → 69、A 54 → 61)
栄東中学校は、近年、その偏差値の著しい上昇で注目を集めています。
特に過去10年間で、その学力の向上は顕著で、多くの受験生が目指す学校となっています。
四谷大塚、日能研、サピックスなどの有名予備校のデータによると、
2024年の予想偏差値は、女子が69から59、男子が66から57と幅広い層に対応しています。
栄東中学校は、一貫教育を提供する私立校で、埼玉県さいたま市に位置しています。
栄東高校が1978年、栄東中学が1992年に設立されており、比較的新しい学校です。
校訓は「今日学べ(こんにちまなべ)」です。
埼玉県はまだまだ公立高校が強い地域ですが、
部活動でも存在感がありますし、
大学進学でも東大進学者数が埼玉県の高校でベスト3に入るなど
大きく躍進しています。
受験者数が多いことも特徴があり、
複数回ある試験の受験者数を全て合わせると、1万人を超えます。
1月の早い段階で試験を行うので、
併願校として人気があるようです。
また、B入試を受験する際、それ以前の入試も受験した受験生は
「+30点」という優遇があります。
A入試・東大選抜を受験した生徒はできる限り入学して欲しいということでしょう。
生徒一人ひとりの可能性を引き出すための個別指導や、豊富な教育プログラムが特徴です。
また、生徒たちの学びをサポートする充実した施設や、
熱心な教師陣による質の高い教育が提供されていることで知られています。
大宮開成中学校
(特待 51 → 60、1 46 → 56)
難しくなっているイメージはあったのですが、
ここまで偏差値が上昇していることにはびっくりさせられました。
埼玉県に位置する大宮開成中学校は、
近年、その教育の質と卒業生の大学進学実績において顕著な向上を見せています。
大宮開成中学校は、一貫した教育方針と充実したカリキュラムにより、生徒たちの学力向上を実現しています。
特に、GMARCHと呼ばれる人気の5つの私立大学群に多数の卒業生を送り出しており、
その合格者数は全国トップクラスです。
また、学校は「塾いらず」を掲げ、予備校並みの講習を提供しており、
生徒たちが学校内で効率的に学習できる環境を整えています。
大宮開成中学校の大学進学実績は、特にGMARCHの大学群において顕著です。
例えば、22年度入試ではGMARCHにのべ709人が合格し、
その中でも立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学では合格者数全国1位を達成しています。
大宮開成中学校は、伝統と革新を重んじる学校です。
元は女子校でしたが、1997年に共学化してから大学進学指導に力を入れ始めました。
教員の皆さんが一丸となって研鑽を積んだ結果、
共学化1期生から早慶合格者を出すことに成功。
その後も進学実績をどんどん伸ばしています。
さらに、生徒一人ひとりの可能性を引き出すための個別指導や、英語教育にも力を入れており、
グローバルな視点を持った人材の育成を目指しています。
ただし、「塾いらず」を挙げている分、
宿題などを含めて学習量は多く、
講習などに取られる時間も多いことは覚悟してください。
学年400人以上いますので、もしかしたら合わない生徒さんもいるかもしれません。
また、生徒数が多いということは合格実績も大きくなる傾向があります。
もちろん、だからと言って大宮開成高校の教育にケチをつけるわけではありません。
ただ、数字を見るときは注意が必要だということです。
この学校のポイントは
- 偏差値の上昇: 最近10年間で偏差値が大幅に上昇し、学校の教育レベルの向上が示されています。
- 大学合格実績: 特にGMARCHの大学群への合格者数が全国トップクラスであり、安定した進学実績があります。
- 教育環境: 学校は予備校並みの講習を提供し、生徒たちが学校内で完結する学習環境を整えています。
- 国際教育: 英語教育の強化や国際的な視野を持つ教育方針が特徴です。
大宮開成中学校は、これからも多くの優秀な生徒たちを輩出し続けるでしょう。
その教育の質と進学実績は、中学受験を考える保護者にとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。
だから、偏差値が急に上昇したと言えるでしょう。
埼玉栄中学校
(埼玉栄 43 → 医学難 50)
同じ受験形態ではないので一概に比べられないかもしれませんが、掲載しました。
さいたま市西区に位置するこの学校は、その教育の質と進学実績の向上により、
埼玉県内外から優秀な生徒が集まる教育機関となっています。
偏差値の上昇は、学校の教育方針と生徒たちの努力の賜物です。
埼玉栄中学校は、生徒一人ひとりの可能性を引き出し、
それぞれの個性と才能を伸ばすことに力を入れています。
また、学習環境の整備も積極的に行われており、生徒たちが学びやすい環境が提供されています。
例えば、進路指導センターがあり、気軽に進路相談ができるそうです。
どの学校でも進路指導室はあると思いますが、
それがここまでしっかりと作られているのは珍しいのではないでしょうか。
部活も非常に盛んな学校ですが、
部活ばかり頑張っているというわけではないようです。
部活を一生懸命やりながら勉強にも力を入れている生徒さんが多いようです。
埼玉栄中学校は、様々な入試日程を設けており、生徒たちのニーズに合わせた受験が可能です。
例えば、医学部進学を目指す生徒向けの入試や、難関大学進学を目指す生徒向けの入試など、
多様な選択肢が用意されています。
これがそのままさまざまなコース・クラスになっているので、
入学試験だけいろいろなコースがあるわけでなく
入学後もしっかりと面倒を見るということにつながっています。
また大宮駅から歩いて10分かからないというのも大きいと思います。
駅からスクールバスなどではないため、
通学にかかる手間が少ないということも人気の一因です。
特に女子の方が駅から遠いことを嫌がる傾向があるように感じます。
市立浦和中学校
54 → 60
これは掲載するか迷った学校でもあります。
市立浦和中学校は、埼玉県さいたま市に位置する公立の中高一貫校です。
この学校は、近年急速に偏差値が上昇しており、県内でも屈指の教育機関として注目されています。
市立浦和中学校は、1950年に設立された浦和市立高等学校と浦和市立女子高等学校が統合して誕生した
歴史ある学校で、2007年に中高一貫校となりました。
高校も埼玉県屈指の難関校です。
高校入試の偏差値は70を越えています。
もちろん、中学入試の偏差値と単純に比較できるわけではありませんので、
中学の方が低いということはありません。
また、公立中高一貫の入試は「適性検査」ですので、
一概に私立中と比べるのは乱暴な部分があるかもしれません。
偏差値が高くても適性検査の準備が不足していると不合格ということは十分にあり得ます。
この学校の特徴は、高い学術水準と充実した教育プログラムです。
特に国公立大学や難関私立大学への現役合格者を多数輩出していることで知られています。
また、学校はJR京浜東北線北浦和駅から徒歩12分というアクセスの良さも魅力的なポイントです。
市立浦和中学校の教育方針は、
「高い知性と豊かな感性・表現力を備えた国際社会に貢献できる生徒の育成」を掲げています。
そのために、基礎学力の向上に重点を置いたカリキュラムが組まれており、
特に「MSU」と呼ばれる科目では、パソコンを使用したeラーニングを通じて
国語、数学、英語の基礎学力を鍛えることができます。
![](https://kakomonselect.com/wp-content/uploads/2024/03/sole_a3-232x300.png)
偏差値で学校を選ぶなってよく言われたけど、
やっぱり気になるよね
偏差値が高い学校に合格した方が
かっこいいし!
そうだね。それはその通りだと思うよ。
でも、偏差値が高い学校って結局
やっている教育が素晴らしいから偏差値が高くなるんだよね。
今回挙げた学校は、この10年間にそれが評価され、結果が出たということ。
自分が思い描く学校生活が送れるのか
よく考えて受験校を選びましょう。
![](https://kakomonselect.com/wp-content/uploads/2024/03/t_a1-1-635x1024.png)
最後に
実は、これをまとめているときに、逆の中学校もいくつか見つけました。
つまり、偏差値が下がってしまった学校、です。
原因を考えると色々あるように思いますが、
入試形態の多様化も原因だと思います。
いろいろな入試形態を取り入れた結果、
一つ一つの入試の受験生が減ってしまい(総計は変わらなくても)
その結果、偏差値が下がってしまったということも
あるように思います。
また、学校名はあげませんが、
一時的に話題になって偏差値が上がった学校が
下がってしまう(=元に戻る)
ということもあるようです。
上がった学校を見ると、
「なるほど。それは上がるよね。」
と思わされる学校ばかりです。
一方、下がった学校を見ると
「え?なんで?」
と思う学校もありました。
もちろん、私は生徒でも職員でも保護者でもありませんので、
外部から見た・調べただけですが、
学校の行っていることは素晴らしい教育だ、
生徒さんも満足している
でも、偏差値が下がっているという学校もあると思います。
一概に偏差値で決めつけて学校を選ぶのはやめた方がいいと思います。
その上で、偏差値やその変動は学校の「何か」を表しています。
学校選びの参考にしてください。