成立学園高校 令和5年 数学より
成立学園の数学の問題を見てみましょう。
大問3を全て挙げてみました。
どのような印象を持つでしょうか?これで5点の問題が4つです。
したがって、20点。
計算や一行題が大切というのはこのようなところからも分かります。
それでは一問解いてみましょう。
成立学園数学 令和5年 大問3(1)
1から100までの数字から連続するいくつかを取り出して足したら100になる。このような球の取り出し方を全て探せ、という問題です。
これは等差数列の和の問題です。
等差数列の和の公式は覚えていますか?
初項がa1,最終項がanだとします。つまり、n個の項があります。このとき和は
(a1+an)×n÷2
となります。これは次のことからわかります。
等差数列を図で表してみました。
まず上の図です。初項がa、公差がdの時、
初項a、第2項a+d、第3項a+2d
となります。
この和を求めるときにはこの図をひっくり返したものを足してあげればいいのです。
それがの上の図。
綺麗に長方形になりました。
この長方形の横の長さは初項+最終項になります。そして、高さは項の数になります。
したがって、先ほどの公式となります。
この公式についてもう少し考えてみましょう。
初項a、最終項an、項はn個あります。
さらに、この問題の場合「連続する数」です。つまり、公差は1。
そのときにn、つまり項の数が偶数個の場合と奇数個の場合を考えてみましょう。
① 偶数個の場合
aが偶数ならanは奇数 → a+anは奇数
aが奇数ならanは偶数 → a+anは奇数
② 奇数個の場合
aが偶数ならanも偶数 → a+anは偶数
aが奇数ならanも奇数 → a+anは偶数
以上のことから、
(a1+an) が偶数の場合、nが奇数
(a1+an)が奇数の場合、nが偶数
の時に上の公式に当てはまることがわかります。
200を掛け算で表してみます。
1×200=200
2×100=200
4×50=200
5×40=100
8×25=100
10×20=200
これだけ考えられます。(残りはかける数とかけられる数をひっくり返しただけなので考えません)
このうち、偶数×奇数になっているのは
1×200、5×40、8×25
の3種類です。
すると、
「初項と最終項の和が200になる連続する1つの項」
「初項と最終項の和が40になる連続する5つの項」
「初項と最終項の和が25になる連続する8つの項」
が分かれば正解になります。
一つ目の文章は「連続する1つの項」はあり得ないので答えになりません。
二つ目の文章は真ん中に20がくればいいので、
「18、19、20、21、22」
です。
三つ目の文章は真ん中の二つが12、13がくればいいので
「9、10、11、12、13、14、15、16」
です。
この二つが正解になります。
文章に書くと大変そうですが、等差数列の和が分かっていれば正解に辿り着けると思います。
自分で演習をしたときに、解答・解説を見て分からない!となった時、
やはり教えてもらえる環境が必要ではないでしょうか?
困ったことがあれば、当塾にご相談ください。