中学受験の難化は本当?

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今回は中学受験の記事。

中学受験は以前より難化したと言われます。
それは本当なのでしょうか?

大学生に聞いてみた

先日、以前教えた生徒さんとたまたま会いました。
その時にちょっとお話をした内容です。

その生徒さんは、中学受験で御三家に進学し、
大学は早慶(のどちらか)に進学しています。
(本人の希望により、ここまでしか書けません……)

現在、アルバイトで個別指導の塾でバイトしているそうです。
(残念ながら当塾ではありません)

さて、その学生さんの感想ですが、
「すごく難しくなってる!」
だそうです。

本当に難しくなっているの?

もちろん、客観的に数値で表すことはできないことなので、
ある程度主観は入ってきます。

しかし、難しくなっているという意見に私も賛同します。

では、原因はなんでしょう?

① 科目の内容が増えていく

わかりやすいのは歴史。
どんどん増えていきますよね。

今中学受験生をお持ちの保護者様が中学受験をした時。
覚えるべき地震は
「関東大震災 = 1923年」
「阪神淡路大震災 = 1995年」
だったと思います。

ところが今の受験生は
「関東大震災 = 1923年」
「阪神淡路大震災 = 1995年」
「東日本大震災 = 2011年」
と増えています。

今年の受験生は「能登半島地震 = 2024年」も覚えるでしょうし、
上記を覚え切ったら「熊本平成26年地震」も覚えさせるかもしれません。

算数・理科についても、解き方が新しい内容が増えたということもあります。
また、解き方が増えている可能性もあります。

ライブラリが増えている以上、受験勉強はそれだけ大変になります。

② 高度な内容が「当たり前」になっていく

どこかの中学校で、出題された問題。
初見の時はとてつもなく難しい問題だと感じたものです。

ところが、どこかの学校で出題されると、
いろいろな塾でそれを取り扱います。
(面白い問題・有名になった問題ならなおさらです。)

すると、その難問が、いつの間にやら「当たり前の問題」になっていきます。

例を二つ挙げます。

慶応普通部で
「東北地方で、10mを超える防潮堤を作ろうとしたら、地元民から反対が起こった。なぜか?」(要約)
という問題が出題されました。

ちょっと思いつかないという方もいるかもしれません。
もちろん、本文・資料などありますからこれだけでは答えられなくても仕方ないですが、
この問題、過去に別の学校で出題されています。
しかも、一度ではありません。

そして、多くの塾で扱っているでしょう。

ということは、これはある意味「典型問題」「知識問題」と化しています。

正解例としては
「高い防潮堤によって海の景色が見られなくなり、観光産業に打撃を与えるから。」
です。

同じような例で、
「高知県の川には欄干がない橋があります。なぜこのような箸があるのですか?」(要約)
という問題が今年の渋谷教育学園幕張中で出題されました。
この問題、2023年の慶応普通部と同じ問題です。
橋の写真までそっくり。

この問題が、「典型問題」「知識問題」と化していたのかはわかりませんが、
慶応普通部の過去問をやっていた受験生にとっては、考える必要のない問題です。

でも、考える問題は次々と出てきます。
今まで出てきた典型問題を学習して考え方をしっかり身につけていかないと対応できません。

知識事項でも同じです。
「飛驒山脈」「墾田永年私財の法」などが漢字指定で出題されるのは
以前は全くありませんでしたが、今ではたまに見かけます。

算数でも、以前はトップ校でしか見かけなかった問題が、
現在では典型問題と化し中堅校でも普通に見かけるということがあります。

過去問が増えれば増えるほど
「典型問題」「当たり前にできるべき問題」が増えていくのです。

③ 共通試験の影響

これは確実にあると思います。

出題形式が共通試験でよく見かけるもの、というのが目立ちます。

カードを使った問題、二つ以上の空欄補充を組み合わせた選択肢の問題、など。
共通試験になって、センター試験より難しくなりました。

文章を読む量が増えた、資料が増えた。
問題の形式も難しいものになった。
それの影響が強く見られる学校がたくさんあります。

また、「思考力・表現力・判断力」を問う問題も増えているように思います。
例えば、「資料を見て、あなたの考えを書きなさい」
「資料を見て、わかることを書きなさい」
などの問題はとても良い例だと思います。

これはテストの形式なので、内容の問題ではありません。
試験の形式として難しくなっているということです。

対策はどうする?

これは勉強するしかありません。
どうしても、勉強するしかありません。

ただ、「何をやるのか」という部分は大切です。

やるべきことは2つだと思います。

・ 基礎学力をつける

これは、テキスト学習です。
どんどん単元学習を進め、
新しい知識・新しい解き方を学習していってください。

ただ、この部分は塾のテキスト、市販のテキストで
十分に対応できます。

・ 問題を解けるようにする

これは過去問や問題集です。
ここで必要なのは、(基礎学力がついているとして)
問題文の読み方、資料の読み方、考え方、答え方を学ことです。

正解を聞いた時に
「知っているよ」
と感じた場合、特に危機感を持ってください。

知っているのに正解できなかった場合、
何が原因なのかをよく考える必要があります。

これも塾などで教えてもらえますが、
聞き流してしまってはいけません。
よくこの部分を教えてもらえるよう、聞き逃さないようにしましょう。

まとめ

中学受験は「倍率」を考えなくても確実に難化しています。

原因はいくつかありますが、
対策をしっかりと行ってください。

また、よく聞く話ですが、
過去に成功した方法をそのまま使うのは危険だということも注意してください。

保護者の方から
「私の時はこうやった」
という話を伺うことがあります。

それが正しいことももちろんありますが、
今の受験には合わないな、と思うこともあります。

現在の状況をよく考えて使い分けるようにしましょう。

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